棋譜解析&解説機能を追加しました!
棋譜解析&解説機能を追加しました!
棋桜などで対局した棋譜を読み込み、自己対局を振り返る用途で使用することを想定しています。
解説はログインすることで利用できます。
APIの利用に費用がかかるため、1日3局までの制限を設けています。
AI解説の課題
生成AIは将棋については全然詳しくありません!ルールすら怪しいレベルです。
そのため、単に局面や棋譜を渡して生成AIに解説してもらおうとしても残念なクオリティになります。
この問題を解決したのが、HEROZの「棋神チャット」です。
HEROZは将棋に特化したLLMを開発し、朝日新聞社との協業によるサービス提供を発表しました。「棋神アナリティクス」にも棋神チャットが実装されています。
棋神アナリティクスには棋譜全体を解析する機能もあり、そこから気になる局面を選んで棋神チャットに質問する、という使い方ができます。
しかし「棋神チャット」は有料プランでのみ使える機能で回数制限もあります。なので手軽に利用するにはハードルがあります。
将棋MAPで工夫したこと
回数制限はありますが、無料で提供しました。なので気軽に使っていただければと思います。
棋譜全体を探索エンジンで解析し、疑問手や悪手、勝負の分かれ目となった局面を自動的に抽出します。抽出した局面について、何が問題だったのか、代わりにどう指すべきだったのかを生成AIに解説させています。
棋譜を読み込ませるだけで、振り返るべきポイントの発見から解説まで自動で行ってくれる仕組みです。
どの局面を反省すべきなのか、自分で探す必要もない形にしました。
形勢判断や指し手の検証は探索エンジンが担当し、その結果を人間にわかりやすく説明する部分をClaude Opus5.5が担当する、という役割分担にしています。
解説の品質向上は以下の文献を参考にしました。
棋解説生成の参考研究。東大・橋本大輝氏、プロ棋士・谷合廣紀五段ら「LLMによる将棋AIの指し手の解釈」。強いAIと初心者模倣AIの解析や局面特徴から解説を生成。
論文:https://interaction-ipsj.org/proceedings/2026/data/pdf/2P93.pdf
実装:https://github.com/hashimoto24680/shogiLLM-public
最近の大規模言語モデルの進化は著しく、以前は難しかった将棋の局面説明についても、かなり自然な文章を生成できるようになってきました。
音声読み上げツールを使ったり、解説の読み上げに合わせて局面を切り替えたりすることで、
将棋盤を見ているだけで、内容が頭に入ってくるようにしました。
実例
以下は私が棋桜で指した棋譜を解析させたものです。
生成AIは将棋に詳しくないはずなのですが、大局観を持っているかのような解説ができていると思います。

ずんだもん「2筋の攻めは相手玉から遠くて、中央の馬を自由にさせた代わりとしては足りなかったのだ」

ずんだもん「これなら形勢は互角を保てて、むしろキミが攻めの主導権を握りやすい展開なのだ。違いは、馬の利きを銀で止めてから攻めるか、止めずに遠くを攻めるかなのだ」
実際の動作はTwitterに上げた動画をご確認ください。
評価関数はつようら王11micro
評価関数はつようら王11microを利用しています。
2026年10月にMITライセンスで公開された評価関数で、従来の大型の評価関数と比べてファイルサイズが小さく、スマートフォンやブラウザでの利用にも適しています。
評価関数を公開してくださったやねうらお氏には大変感謝しています!
探索エンジンは自作
Claudeが3日でやってくれました。
なぜ既存の「やねうら王」を使わなかったかというと、理由はライセンスです。
やねうら王はGPLv3で公開されており、アプリに組み込んで配布する場合、アプリ側のソースコードの提供なども必要になります。
将棋MAPは将来的にiOSアプリへの展開も考えているため、GPLの条件とApp Storeの配布条件の兼ね合いも問題になります。
そこで、既存のGPLコードを流用せず、独立した探索エンジンを開発することにしました。
肝心の性能ですが、開発過程で同じ評価関数を双方に搭載し、やねうら王と1手1秒で対局させた試験では、200局で19勝6分175敗、勝率11%という結果が出ています。
やねうら王とは大きな差がありますが、将棋MAPでは短時間の探索を繰り返す用途が中心なので、現在のところ十分実用的な性能だと考えています。
また、探索エンジンはWebAssembly(Wasm)に変換してブラウザ上で動かしています。
ユーザーの端末で解析を実行するため、解析のたびにサーバー側で計算する必要がなく、運用コストを抑えられるというメリットもあります。
Live2DとVOICEVOX
解説をテキストで表示するだけでは無機質だと思い、音声やLive2Dによってキャラクターの表情や動きを加えました。
解説の読み上げはVOICEVOXの音声合成を起用しました。
VOICEVOXの音声合成には、さくらインターネットの「さくらのAI Engine」を利用しています。
このサービスは、VOICEVOXの音声合成をAPI経由で利用でき、従量課金の料金は約10,000文字当たり3円と非常に安価です。
自分で音声合成サーバーを用意する必要がなく、実際に使ってみても待ち時間はあまり気になりません。
自然な音声で解説を聞きながら盤面を追えるため、使い勝手のよい機能になりました。
生成AIによる解説機能の提供について
最後に、生成AIによる解説機能の運用について説明しておきます。
私は開発用にClaudeを契約しており、現在は付与されている200ドル分のAPIクレジットを利用しています。
今回、将棋MAPにClaude Opusを組み込んだ解説機能を提供できたのも、このクレジットがあったことが大きいです。
ただし、将来にわたって同じ条件でクレジットが利用できる保証はありません。
生成AIのAPIは利用するたびに費用が発生するため、現在はログインした利用者に限定し、1アカウントにつき1日3局までという制限を設けています。
今後、APIクレジットの付与条件や利用状況によっては、予告なく機能の提供を終了する可能性があります。あらかじめご了承ください。
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